中国の超伝導研究において、新たな進展が見られた。薛其坤院士が率いる南方科技大学、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)量子科学センター、清華大学の共同研究チームはこのほど、高温超伝導分野における重要な進展を遂げた。この研究成果は北京時間2月18日付で世界トップの学術誌『ネイチャー』に掲載された。中央テレビニュースが伝えた。
同研究により、ニッケル系材料が常圧下で超伝導を実現できることが明らかとなり、これまでに知られている超伝導材料体系に「第三の体系」をもたらした。この発見は、高温超伝導のメカニズムという長年の科学的課題を解明するための新たな道筋を提供するものだ。
通常、超伝導状態はマイナス250℃以下の極低温環境でのみ実現可能だ。マイナス233℃以上で超伝導が発現するものは「高温超伝導体」とされる。1911年の超伝導現象発見以来、より高温で動作可能な超伝導体の発見は、世界中の科学者が競い合う研究テーマとなっている。
ニッケル酸化物は、高温超伝導体の有力な候補材料の一つとされてきた。今回、南方科技大学の研究チームの発見により、日常の圧力環境下で、マイナス233℃以上で超伝導を実現できることが明らかになった。
南方科技大学物理学部の陳卓昱准教授は、「従来のニッケル系高温超伝導体は、地球内部の圧力に匹敵する十数万気圧の超高圧環境でしか安定した超伝導状態を実現できなかった。しかし、現在では高圧下でしか安定しない原子構造を常圧下に移植することができ、常圧下でもニッケル系材料の高温超伝導を実現できるようになった」と述べた。
研究チームはどのようにして、この「超高圧環境でのみ安定する原子構造」を常圧下に移植したのか。この課題に対し、薛其坤院士と陳卓昱准教授が率いる平均年齢30歳未満の若手研究チームは、3年にわたる研究開発の末、極めて強い酸化環境下で「ナノスケールの原子積み木」技術を開発し、常圧下で超伝導を示すニッケル酸化物薄膜の合成に成功した。専門家によれば、今回発見された「第三の高温超伝導材料」は、極めて重要な革新的意義を持ち、高温超伝導分野における重要なブレークスルーとなる。
中国科学院院士で、南方科技大学の学長を務める薛其坤氏は、「今回の研究で用いた機器はすべて国産設備に基づいており、超強力な酸化能力を持つ原子スケール薄膜成長技術を実現した。この成果は、中国の独自実験技術の発展における重要なイノベーションだ。今後は、独自に開発したこの実験技術を活用し、より多様な材料体系の探索を進め、最終的には常圧下で液体窒素温度以上の超伝導体の実現を目指す」と述べた。(編集ES)
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