生产ラインを持たなくても制造が可能に

河北省唐山市玉田県の凱勒科技有限公司では、数本の生産ラインがラミネート機カバーのスプレー作業を行っていた。人民日報が伝えた。

生産ラインは凱勒科技のものだが、製品はそうではない。凱勒科技の董建生社長は、「当社は印刷・包装機械産業スプレー塗装共有工場で、生産ラインでスプレー作業を行っているラミネート機カバーは盛田印刷包装機械有限公司のものだ」と説明した。

共有工場とは、場所、設備、技術、倉庫保管などの生産発展に必要な要素をその他の企業と共有できる工場を指す。企業の資源共有、優位性の相互補完、コスト削減・効率向上を促進し、生産設備不足、スキル不足、イノベーション・研究開発能力の弱さ、優秀人材不足といった中小企業の難題を解決するため、唐山市は共有工場建設加速の実施案を策定・発表し、市全体で共有工場の建設を推進する。

玉田県には印刷機完成品製造企業が216社ある。企業が各自で建設したスプレー生産ラインは利用率が低く、環境保護設備への投資額が大きい。かつて多くの企業は表面処理工程を他地域に移して行っていた。現地政府の誘導により、8社のリーディングカンパニーがクラウドファンディングで印刷機械産業クラスターの共有工場である凱勒科技を設立した。工場は2023年に正式に稼働開始した。

董氏は、「工場は完成後、クラスター内の100社以上の印刷機企業に寄与するだけでなく、20社以上のパイプメーカーにも波及効果がある。企業のコストを年間2000万元(1元は約21.5円)以上削減する」と述べた。

共有工場では生産ラインが共有できるだけではない。さらに研究開発チームは一緒に働くことができる。

百川共有工場に入ると、自動プラズマ切断機、ハイエンド3Dプリンター、ロボット溶接作業ステーション、スマート立体倉庫などの試験・生産・倉庫保管設備が揃っていた。

唐山百川創新科学技術サービス有限公司の王孟昭社長は、「多くの中小企業とスタートアップ企業はイノベーション・研究開発能力が低い。当社は研究開発試験設備・プラットフォームやイノベーション人材などの資源を中小企業に開放し、そのイノベーション能力不足の問題解決を支援する。当社は工業設計研究院を建設し、260人以上の研究開発チームを構築した。ロボット中小企業に設計・研究開発、実験・検査、データ共有、製品改良などの技術サポートを提供できる」と説明した。

パレット積み降ろしロボットを主要製品とする唐山四維智能科技有限公司は、特殊用途ロボットの研究開発・生産の注文を受けた。しかし工期が逼迫し、企業の研究開発者では履行が困難だ。新たに研究開発者を雇用すれば時間がかかり、工期を保証するのも困難だ。同社の陳耀岐社長は、「百川共有工場に需要を示すと、工場は直ちに5人の研究開発チームを派遣し、当社の従業員と連携して研究開発を行い、複数のソリューションを提供した。双方の研究開発チームの努力により、製品ソリューションが最終的に2ヶ月で確定した。現在は試作機の開発に成功し、最適化を行っている最中だ」と説明した。

研究開発・生産だけでなく、倉庫保管や物流なども共有できる。

唐山晟群科技有限公司の張習加社長は、「出荷日と必要な車を確定すれば、百川共有工場は車両の調整や梱包、積み込みをすべて手伝ってくれるので、非常に楽だ。主要製品の自動薬剤ピッキング装置は生産期間が長く、出荷の頻度が低く、輸送先が一定せず、物流企業と安定的な協力関係を形成することが難しい。百川共有工場が提供する倉庫保管・物流共有サービスのおかげで、現在は当社の毎回の出荷も保証されている。当社と共有工場は大きな家庭の中におり、どんな困難があっても助けてくれる人がいる」と述べた。

共有工場の建設は、産業の相乗的発展をもたらし、企業発展の活力を引き出した。2024年1月2日に稼働開始してから、百川共有工場は130社以上の企業に寄与している。唐山の現在までの共有ロボット企業は23年末比71社増の222社。24年1−11月の売上高は前年同期比15.2%増の71億4000万元。

唐山市では現在14ヶ所の共有工場(プラットフォーム)が完成し稼働中で、6ヶ所の建設が計画中だ。唐山市工業・情報化局党組書記で局長の孟祥印氏は、「将来的に共有製造能力、イノベーション能力、サービス能力を持続的に高め、共有製造エコシステムを最適化し、共有製造の重点県域特徴的産業クラスターのフルカバーを目指す」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年1月10日

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